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Romance夢紀行

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Emerald Blaze/イローナ・アンドルーズ(前編)

最終更新日 2020.10.31
蒼玉のセイレーン[ イローナ・アンドルーズ ]​ から始まったカタリーナ編第2弾!!! 
去ってしまったアレッサンドロは戻ってくるの? カタリーナは? ネバダの体調は? 気になる~。 

※ ※ ※ ネタバレあり ※ ※ ※ 
辞書を使わず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

プロローグ ウルフが来た。彼らの一族は、人の姿でいる者もいるし、狼の皮をかぶっている者もいる。今回の仕事に必要なのは人狼だ。ランダー・モートンは車いすに座り、バーボンをあおり、玄関に現れた人物を見つめました。この3日間で初めて、哀しみ以外の感情が頭によぎりました。恐怖の入り混じった興奮のようなもの。ウルフは背が高く、頑強な地中海風のハンサムで、フェリックスが成長したら彼がそうなったであろう姿かたちだと考えると、痛みがランダーを貫きました。彼の瞳をみつめると、奥から冷たく、飢えた狼の目が見返しました。

ランダーは、自分は仕事相手に腹の底では嫌われていたかもしれないが、息子は頭がよく、いいやつで周囲に好かれていた。妻が亡くなり一人で14歳の子を筆頭に3人の子供を育てていたのに。彼の業績や資産を乗っ取ったやつがいる。わしは癌に蝕まれているが、跡継ぎの孫が引き継げるようになるまで、あと4年はくたばれないことになった。殺人の動機を知るためには最高の調査会社を雇ったが、犯人に報いを受けさせてやりたいと話します。

ウルフは、お悔やみを言い、母が自分を妊娠していてつわりが酷かった時、あなたがつわりにはジンジャーエールがきくといって、わざわざヨットまでミラノから空輸して取り寄せてくれたことを覚えていましたと言って、仕事を引き受けます。

第1章 カタリーナはいとこのレオンとコーネリアスと5日の間街を駆けずり回り、ようやく猿のローズバッドを追いつめていました。そばにはモンゴメリー調査会社の調査員が3人もいて、彼らも生物実験のための実験体の捜索依頼のために猿を捕まえようとしていて、銃をもってにらみ合いです。12歳の車いすの女の子が介護用に訓練された猿が盗まれてしまったという案件をコーネリアスが受けての捜索でした。話し合いは平行線でしたが、コーネリアスのタロンが空から舞い降りてきて猿を捕まえるとコーネリアスに渡し、確保します。相手方の調査員は戻って報告することにしたようで、駐車場へ向かいますが、そのとき近くの川から不穏な気配がして、水中の恐竜のような獣が集団で襲ってきます。地球上の生物でも、召喚生物でもないようですが、カタリーナは魔法で操られていることを感じ取ります。生き物の芯に指輪のようなものが埋め込まれているようです。カタリーナは射撃をしながら駐車場のリモへ飛び込み、コーネリアスはゼウスをBMWから出し、車内に搭載してあった銃やレイピア、ゼウスで獣をなんとか撃退し、前テキサス評議会議長であり、現在も隠然と権力を持つライナス・ダンカンに連絡を取ります。

ライナスは自宅にいましたが、攻撃を受けているようです。ライナスの自宅は要塞で、生半可な攻撃では返り討ちにあうのがおちなのに、誰が? ライナスは、退却してモンゴメリの事務所へいき、モートン事件を譲れと身分を明かして要求しろと指示し、資料を送ってきます。

急いでモンゴメリの事務所へ向かう途中、アルファロメオのスパイダーが横を走っていくのに気づきました。アレッサンドロ? 車に乗っていたレオンが、次にあいつが目の前に現れたら殺してやる、と本気の目つきで宣言します。だって数か月もカタリーナは沈んでいたじゃないか。カタリーナは、あなたがアレッサンドロを攻撃したら、私が彼のことを気にしているって思われるからやめて、というとそれもそうだなとレオンは引きさがります。

モートンは83歳、軍をやめて政治の世界に飛び込んだライナスとビジネス上のライバル関係だったようです。モートンは大地に関わる超能力の持ち主で、二人で激しく所有権を争ったビルを、ライナスが勝ち取ったときには、契約書のインクが渇く間もなく地震保険に入ったそうです。しばらくしてライナスがオフィスをそのビルに移転させると、極小規模の地震が起き、死人は出なかったものの、そのビルだけが崩れ落ちたそうです。保険会社の綿密な調査により、モートンの仕業ということが判明し、そのことでモートンは社会からつまはじきにされることになったと、ライナスに関わる人間関係の宿題をすませていたカタリーナがレオンに教えていました。

ライナスから送られた資料にはドローン撮影された動画が含まれ、モートンによく似た30代くらいの男性が、沼のような場所でうつ伏せに浸かっていますが、足は焼けただれ、左半身はスイカ大の穴があき、顔も目が撃ち抜かれ、苦しみぬいて亡くなったことがわかり、誰がこんなことをとカタリーナはショックを受けます。

第2章 カタリーナはモンゴメリのビルにつくと、17階のオフィスにあがっていきます。オーガスティンにモートン家の事件を譲ってほしい、貸しひとつという形で、とまずは頼んでみますが、事情によるが、ダメだと断られ、カタリーナは腕の五芒星を見せテキサス州副監督官としての身分を明かし、事件を譲って今までに得た情報を渡し、調査に協力するようにと要請します。

オーガスティンはカタリーナにこれまでのことを説明します。ランダー・モートンにはフェリックスという息子がいて、3日前に殺された。どうやら5つの一族が集まって、ピット、つまりジャージーヴィレッジの再開発を進めていたらしい。5つの一族は、彼らのなかで不審死が出たら、調査を行うという契約に合意していたらしい。家長はみな生命保険をかけていて、調査後でないと保険金が降りないことになっている。目下の容疑者は残り4つの家の家長だ。45分後にランダー・モートンと家長たちとを交えた会議を行う。

ピットの現状は危機的だ。召喚獣たちが制御を失っているようだ。行政側は状況を正してくれるものを求めている。もともとヒューストンからほど近いにもかかわらず、ホームレスやジャンキーたちがたむろしていた場所で、もし再開発がなされれば、不動産価値がうなぎのぼりで、もちろん開発側もそれなりの見返りがある。

ランダーとフェリックスは公の場では親子中が悪いように見せていたが、ランダーには敵が多かったため、その敵を息子に引き継がせないためにそうしていただけで、実際には父は子供を溺愛していて二人はチームだった。ランダーは孫3人をひきとった。捜査資料はこの革のフォルダーに入っていて、フェリクスの家の鍵とコンピュータにはフルアクセス可能だ。

ピットは小島の集まりで橋によって連結され、夜には警備門が閉鎖で行き来できなくなる。このゲートのセキュリティコードは5人しか知らなかった。フェリクスが殺された晩は2回コードが使用されている。
1度目はセキュリティカメラに収まっていた未知の人物、もう一人はフェリックスだ。残りのメンバーは、マラト・カザリアン、召喚者。シェリル・カステラーノ、動物の能力者。ステファン・ジャン、水の能力者、タチアナ・ピアース、火の能力者で彼女はアダム・ピアースの妹。さあ、会議の時間だ。

ランダーはカタリーナを近くに呼び寄せると、この中の誰かがわしの息子を殺した。だれがやったか突き止めろ、と残りのメンバーに聞こえがよしに囁きます。契約書通り、息子の死はモンゴメリ調査会社のこの女性が行う。調査に対応してほしい。もしもこの女性に何かあれば、私の家からは一銭も払わない。お忘れではないかと思うが、このプロジェクトにはうちの一族が一番多額の出資をしている。このプロジェクトに関しては代理人を出そうと思うというと「遅れて申し訳ない」と言ってアレッサンドロが入室してきました。

なぜ戻ってきたの? 暗殺者としての仕事? それとも親族としての義務? 他のプライムたちは彼をプレイボーイと認識したようだけれど、私は違う。彼はグラディエーターだわ。

アレッサンドロはビジネスを取り仕切り、女性は殺人者をみつけるということでよいかな、といってランダーは退出していきました。タチアナはカタリーナがベイラー家のメンバーだと気づき、調査への協力を拒もうとしますが、カタリーナは隠すことがなければ調査に応じなさい、抵抗するほど時間とお金の無駄になると説得し、4人との個別の面談を設定し、その場をアレッサンドロに任せて退出します。

第3章 カタリーナは会議室を出て通路を進むと壁のくぼみに寄りかかり、「君の魔法はぼくには効かないよ、もう君のとりこだから」とアレッサンドロが言ってくれたことを思い出します。粉々になった心のかけらを一つずつかき集めたこの半年のことを考えて怒りと心痛が沸き上がってきますが、なんとか思考を研ぎ澄まそうとします。アレッサンドロが彼女を追いかけてきた気配がしてカタリーナが身体のなかに沸き上がってくる魔力を放つ準備を始めて彼をみると、彼の目には炎が燃えていましたが、後ろからマラットに声をかけられると表情を取り繕い、そちらへ行ってしまいました。

迎えの車をやる、とメールでライナスから連絡がありコーネリアスのところへ向かうと硬い表情でした。ピアースを見かけたようです。レオンはオードリーから家に侵入者がいると連絡があったため911を呼んで対応してもらっているようです。オードリーはトータルファッションのインフルエンサーで、フォロワーにストーカーされているといって相談を持ち掛けてきて、レオンが担当になりました。幸い、その事件は解決し、レオンは前に進みましたが、危険な香りがして有能なレオンにオードリーは夢中になってしまい、彼女がストーカー化してしまっていて、カタリーナは明日にも顧問弁護士を通じて彼女の一族と話し合いを持たないといけないと考えています。レオンにはオードリーには絶対に会わないように、本気よ、と釘を刺し、コーネリアスと一緒に依頼人に猿を届けてほしいと頼みます。これだけ苦労したんだから、仕事の醍醐味だろう、一緒に届けにいこうと二人に強く誘われますが、ライナスは待たせられません。

最大に警戒を高めたライナスの護衛のひとりピートにライナスの邸宅まで送ってもらうと、塔は倒れ、玄関には血が飛び散り、襲撃のあとが残っていました。ライナスは書斎にいて、カタリーナはランダーとアレッサンドロが組んでいて、事態が複雑になったと報告します。

カタリーナはアレッサンドロを助けるために祖母のヴィクトリア・トレメインに助言を求め、引き換えに一族のための結婚をすると取引をしていました。アルバート・レイヴンスクロフトは26歳のサイオニックで、ハンサムで、忍耐強い人物のため、じっくりと求婚をかければ彼の良さをカタリーナにわからせることができると考えているようです。ライナスはアルバートとの関係に興味を惹かれて言及しますが、カタリーナはこの件に関しての裏の事情はライナスには黙っています。アレッサンドロもカタリーナを追いかけ邸宅にやってきました。

アレッサンドロは公式にはフェリックス・モートンを殺したやつを殺すために雇われたからここに来たが、非公式には彼女が危険にさらされているからと言います。イグニット・オルロフという名前に覚えは? ロシア帝領防衛軍の退役将校で、とても腕のいい暗殺者だ。通り名はアルカン、投げ縄という意味で、敵を文字通り縛り上げる。彼が監督局の守る血清を盗んだやつだ。

何者かが数年前に161-165acの5つの血清を盗み、半年前ダイアテーク社の件で1つ取り戻したものの、残り4つは失われたままです。彼らは人間を魔法を使える怪物へと変えていました。この件がどうピットと関わってくるのか、ライナスが重い口を開きます。

フェリックスが最後の会合に私を引き込んだ。偶然エレベータで会った際に、長らくお会いしませんでしたねと話しかけてきて、封筒を渡してきたんだが、彼とは初対面だったので好奇心にかられた。カタリーナがその封筒をみせてもらうと、そこにはピットと思われる朝早い時間の沼の写真が入っていました。そこには二つの回転する指輪が青い光を放つ様子がうつっています。写真の裏には誰かの走り書きでジェーン・ソウレージ 私の査定人、7/9にピットで失踪 これが彼女のクラウドに最後にアップされた写真 あなたとなるべく早くこの件について話し合いたい と書いてありました。この封筒を渡した4時間後にフェリックスは殺され、翌朝まで死体は発見されなかった。ダイアテークの件の捜査官のワールがこれから来ることになっているとライナスが言うと、事件の後始末の際にさんざんな目にあわされてカタリーナはぞっとします。フェリクスが162ac血清の件で彼に相談を持ち掛けていた経緯があるからだそうです。

アレッサンドロは、アルカンが暗殺の標的のため監視していていたようです。彼が血清を盗んだようだが、雇われなければ仕事はしないし、裏にだれかいる。血清を盗むような大胆なことをするのはコネがあり、実力のある一族の誰かだが、自分の情報では、フェリックスを殺した誰かがアルカンにパニックになって連絡してきてダンカンにばれたと言っていて、アルカンはダンカンなんて怖くないといっていたそうです。アレッサンドロは、以前カトリーナの護衛として誓約したとき、期限は特に定められていなかったから、今回は彼女を守ってやってもいいと申し出ます。カタリーナはまっぴらという気分でしたが、ライナスが彼女の最重要任務は血清の回収で、アレッサンドロは彼女を守れと命令します。

ライナスとカタリーナに対する攻撃は、意図がわからないものの、生ぬるいものだったため、アルカン自身による攻撃ではなく部下によるものだったと推測されます。監督局が定めたアルカンの危険度数は黒、黒は一人しかいないそうです。市をひとつ消しかけた義兄のコナーですら茶色のため、危険な人物のようです。

狼の巣に君を放り込むわけだからといって、ライナスは自分で鍛えた剣を引き出しから出し、カタリーナに与えます。これは原形で、改良の余地はあるが、その時間がない。箱から出した短剣は、長さの割に幅が広く見えましたが、ライナスの指示で軽く振ると長さが長剣になり、魔法を込めると、そこに魔法陣を作り出してしました。いいか、これは緊急用の剣だ。魔力を送り続ければ自分の魔力が枯渇し、最悪死に至る。自分を守れよとライナスに言われます。

第4章 アレッサンドロが家まで送るよ、と申し出たため、カタリーナはしぶしぶ助手席に乗り込み、先にフェリックスの家に寄ってもらうように頼みます。アレッサンドロは、捜査をやめさせようとして悪かった。君に行ったことは申し訳なかったと思っている。君を置いていって申し訳なかった。電話しなくて悪かった。君の質問になんでも答えると謝ってきます。

フェリックスの家に着くと、カタリーナはパソコンから最近扱ったファイルやピットに関係する資料をすべて抜き出し、パソコンのデータは破壊しました。

なぜ暗殺者になったの?と聞くとアレッサンドロは黙りこみますが、しばらくして話し始めます。10歳の時、無敵だと思っていた父が目の前で殺された。結婚式でベストマンを勤めていたんだ。あとから祖父に親友だった花婿をかばって殺されたと知った。殺したのはアルカンだ。彼には絶対に君を殺させたりしない。君は世界で一番ぼくが守りたい人だ。君には幸せになってほしい。守らせてほしいと言います。

半年前のカタリーナだったら喜んだだろうけれど、ヴィクトリア・トレメインとの約束があり、彼女にはアレッサンドロとの未来はないのです。カタリーナは明日、マラットとの面会に同席するか確認し、家族に副監督官だということはバラさないように釘をさし、警備門の前で降ろしてもらいます。

第5章 カタリーナが家に入ると、キッチンには家族がみんな集まっていました。ネバダは妊娠9か月で、コナーはロシア帝国領に出かけているようです。アランという昔からの仲間がロシアで行方不明になり、捜索隊を出すことになり、ネバダはいつ出産してもおかしくない時期のため、コナーも出かけるか迷っていたようですが、ネバダが彼の背中を押したようです。1週間ほど前から出かけていてまだ連絡がありません。

カタリーナは血清と監督官関連の話を除いて、フェリクスの事件を家族に説明します。タチアナ・ピアースはコーネリアスが担当を希望しているので、残り3人の超一流の調査を担当してほしいと言います。超一流のひとりステファン・ジャンの顔写真をみたアラベラが、この人中国ドラマの俳優だわ!と騒ぎ出し、彼を担当すると宣言します。レオンはマラットを選び、バーンはシェリル・カステラーノを選びます。明日のマラットとの面会にはバックアップはいるかとレオンに聞かれ、カタリーナは実はもういるのと言い、バンドエイドをビリっとはがす覚悟を決めます。アレッサンドロ・サグレードよ。

家族たちはあいつを殺してやるとそれぞれ息巻き、ネバダはアレッサンドロとはもう感情的しがらみはないというカタリーナの嘘を静かに聞いていましたが、カタリーナはようやく寝室に逃げ出したあとでネバダがやってきました。

カタリーナの寝室に飾ってある刀のコレクションをみて、ネバダは寝室で襲撃の不安に駆られるのと心配しますが、刀をコレクションしているのは好きだからだし、これという1本にまだ出会っていないからと説明します。むかしカタリーナは何か怖いことがあると、母じゃなく、ネバダのところに行っていました。ネバダは家族を守り、養ってくれました。得難い姉だわ。コナーと結婚したあとも守ろうとしてくれているけれど、今度はそれは私の役目とカタリーナは考えています。

アレッサンドロとはどうなっているのと聞かれて、なにもと返事をすると、優しく「嘘ね」と言われてしまいます。ライナスに仕事で組めと指示されたからと言い訳すると、ライナスに言われたことは何でもするのと聞かれ、ライナスに関しては何も聞かないで。私も真夜中にペンタゴンからネバダの携帯に電話がかかってきた翌朝、所属不明の部隊による痛ましい人質解放のニュースが流れても何も言わない。実際、コナー不在時にはネバダがコナーの私設軍隊を仕切っているようです。

スターンたちとの一件での痛手がまだ残るようで、権力者たちとの知己を得る重要性を認識したネバダはあらゆる努力をしていて、実際成功しているようです。いまローガン一族は高い尊敬を得ていました。

あなたが心配なの、アレッサンドロがあなたを捨ててから数週間、あなたはあなた自身じゃなかったからとカタリーナはネバダに言われます。でも彼は何も約束はしなかったし、嘘もつかなかった。でも最悪なのは、彼のことは何も知らなかったってこと。幻想の彼に恋していたの。ネバダは彼の今回の目的を気にしますが、カタリーナにもわかりません。でも今回の彼は誠実だって気がする。以前の彼は傲慢で、人が彼をどう見るのかを取り繕うのに多大な時間をかけていて、彼は自分の判断がベストだと信じて説明する手間をかけなかった。でも今は違う。彼は最高に集中しているわ。驚くほどの冷静な決意が見える。私にあらゆることを謝って守らせて欲しいと言ったわ。ネバダは決意に満ちた人物がそばにいたら、一歩さがって、やりたいようにやらせてあげてと助言します。コナーも今回の件ではそうなの。一言いえば、コナーはそばにいてくれたと思う。でも友達を救えたかもしれないと一生後悔したと思う。彼の一番はわたし。アレッサンドロにとって、あなたは復讐より優先されるかしら? カタリーナにはわかりませんが、彼とやり直したいと思っていないと話します。ネバダに抱きしめられると、お腹の中から甥に蹴られたのを感じます。赤ちゃんに魔法の才能がなくても、ネバダとコナーは彼を愛するだろうけれど、カタリーナは彼が魔法の才能を持っていますようにと願っていました。最後に一言だけ。コナーはアレッサンドロを爆発直前の爆弾のように扱うわ。コナーのお父さんは、サグレードの超一流は対面しうる一番危険な敵だと言っていたそうよ。確かにアレッサンドロは武器を呼び出せるかもしれないけれど、コナーはビルを半分に折れるのに? とカタリーナは不思議に思います。コナーは若すぎて詳しい事情を聞けなかったそうですが、おそらく一族の魔法についてのことだろうと予想しています。どんな秘密をアレッサンドロが隠しているのかしらないけれど、とにかく傷つかないでね。

第6章 カタリーナは警備責任者のパトリシア・タフトからの電話で目覚めます。一族の問題を担当する警察の部署で、ベイラー家担当のムノズ巡査部長が同僚と一緒にレオンの事情聴取に来たというのです。ムノズが来たということは重罪案件、つまりオードリーは死んでしまったのねとカトリーナは悟ります。すぐさまレオンに連絡すると事務室で調査作業に没頭していて、昨日は絶対にオードリーには会ってもいないし、最後に連絡があったのは夕方の17時42分ごろだと言います。事務室から一歩も外へ出ないようにと命じて、パトリシアには客は会議室にお通しして、でも誰にも質問させないでと指示をします。レオンが以前殺人を犯した時は、内省モードになり沈んでいたのをカタリーナは目にしていて、彼がもし誰かを殺すなら家族に危険が及んだ時だし、オードリーにはうんざりしていたとしても家族や彼自身の脅威にはなりえないし、もしも手を下していたら違う様子だったはずとカトリーナは彼の無実を確信しています。

カタリーナとネバダが会議室で待つ中、パトリシアに案内され、ムノズとジャコンヌが入ってきました。必要だと判断すればレオンも同席させます、とカタリーナが言い、オードリーとレオンとの関係の経緯を説明し、彼女が何度も送ってきたメールなどの資料は要請があれば提出しますと申し出ます。オードリーからの最後の連絡はどこで受けましたか、との質問には、この調査とは関係ないため詳細は言えませんが、モンゴメリ調査会社にいました。その後レオンはコーネリアスと共に依頼人に盗まれた猿を届けに行き、帰宅したと説明すると、ムノズはオードリーの家の防犯カメラの映像を見せてきます。そこには「レオン」の映像が映っていました。

初めに敵はアラベラを怒らせて魔力を露呈させようとして、次はレオンに殺人の濡れ衣を着せた。これは単純な攻撃じゃないとカタリーナは考えます。アルカンは私を殺せばライナスが反撃してくるとみて、家族を攻撃してきたんだわ。

ムノズはオードリーの殺された写真をみせながら、妊娠したとでも言って彼を呼び出し、逆上した彼にはずみで殺されてしまったんではと推論を話すと、ネバダが笑い出します。気を悪くしたムノズにカタリーナは説明します。オーガスティンの事務所のメンバーならレオンに成りすますことができることをあなたたちも知っているでしょう、実際彼は私になりすまして家に入り込んだことがあるの。それで二度と幻視系の魔術師が入り込まないように入口にジャーマンシェパードのカシウスたちに6時間交代制で勤務してもらっているの。外見は変えられても匂いはごまかせないから。

アルカンはこれからも家族をターゲットにしてトラブルを引き起こす可能性があるため、カタリーナはムノズを味方にするか、せめて先入観なく事件を扱ってもらえるよう、ジャコンヌの才能ある娘について軽い会話をして、ジャコンヌが祖母のスパイだということをムノズに教え、誠実さを示して、家族を守ろうとする自分の立場に理解してもらうよう頼みます。

刑事たちは帰っていき、家族たちには狙われていることを話し、警戒態勢をとるよう伝えます。パトリシアはアレッサンドロが警備門の外で7時からスパイダーの中にいることをカタリーナに報告しますが、彼が護衛しているだけだからと伝えます。レオンと話しに行くと、もうオードリーが死んだことには気づいていました。俺のせいだ、彼女はあんなに怖がっていたのにと自分を責めるレオンに、行くなといったのは私なのだから私のせいよ。それにもしも助けに行っていたら、彼女は殺され、あなたは殺さない程度に攻撃されたと思う。もしもあなたが殺されたら、みんなで全力で復讐に向かうけど、息があれば、容体を心配するだろうし、意識不明のままで容疑がかかれば、そちらにも意識をむけないとならないから一族の戦力としては落ちていたと思うとカタリーナは推論を話します。犯人を見つけたら殺してやる、というレオンにあてにしているわとカタリーナは言っていました。

第7章 9時10分前にカタリーナが警備門のところに出てくると、アレッサンドロが超一流らしい身だしなみで車を降りてきます。以前のカタリーナなら彼らしい服装と思ったかもしれないけれど、いまは違う。そこにルナ・エッターソンが警笛を鳴らし、車を乗りつけてきます。エッターソンの事件は解決したんじゃなかったかとアレッサンドロが聞くと、事件はクローズしたけど、彼女は私の親友だからレオンのことを聞きつけて支えになるためにきてくれたんだと思うと説明します。

ルナは、あなたには弟の命の借りがあるから、なにかできることがあればさせてもらうけれど、カタリーナには近づかないで。あなたには勿体なさ過ぎる人だから。もしも彼女を傷つけたら、死んだ方がましと思うことになるわよとアレッサンドロに警告し、アレッサンドロは心に留めておくと返事します。カタリーナはわかったから、とルナの肩をひっぱり、玄関のほうへ向け彼女を押しますが、「死ね!」と肩越しに毒づいていきました。

第8章 アレッサンドロはカタリーナのリノで出かけるのを渋りますが、カタリーナはどうしてもスパイダーにしたいなら、リノを追いかけてきてと言い渡すと、折れて、トランクからアサルトライフルを持ち出してきてリノに詰め込みなおします。好奇心から聞くんだけど、トランクにはSAWもあるのかしら?とカタリーナがいうと、ちょっと思い出せないから、僕とこのなかで横になって見つけられるかどうか転がってみないかとアレッサンドロが思わせぶりに囁いてきます。一方カタリーナのトランクには複数のナイフが収納されていて、コンソールにはライナスの剣をすでにしまってありました。

アレッサンドロとアルカンの間に何があったの? 聞いたら答えてくれるだろう。知ってしまうのが怖い、彼のことを気にかけてしまうからとカタリーナは考えています。

カタリーナは昨晩読み返したモンゴメリ事務所による調査報告書の内容を思い返していました。短い時間にもかかわらず、時系列にそってフェリックスの行動が整理され、4人の超一流やスタッフたちの聴取の内容がよくまとまっていました。

フェリックスが亡くなったのは7/15、この日彼は子供を学校に送ると、いつもと同じく8:15には職場についていた。オフィスで仕事をして何本か電話をかけ、お昼をデスクでとり、さらに仕事をして14:17にはビルをでて、15:00にはアメリカタワーにいてライナスと遭遇していました。15:30にはアメリカタワーをでて、会社に戻り、秘書やカレンダーによればその後は特に予定がなく帰宅するかと思えたが、17:00に家政婦に電話して、夕飯を待たなくていいと連絡してオフィスを出た。25分後、誰かが秘密のコードを使ってピットに忍び込み、17:49にフェリックスたちは門を通過している。これがフェリックスの最後の足取りだった。仕事で遅くなっていると思われていたため、翌朝になって娘が祖父に連絡を取り、捜索が始まり、コードに吊るされ痛めつけられたフェリックスの死体が見つかった。

彼は誰に会いに行ったのか。死後見つかった携帯には何の記録もなく、おそらく評議会に行ったときに直接会って約束したのだろうと思われる。モンゴメリ調査会社も同じ結論に達したようだが、評議会内部のことは極秘のため、その中でなにがあっても漏れてくることはなく、壁に突き当たったようだ。今回の共同出資者たちはそれぞれ家族に評議会のメンバーがいるため、ピットで会いたい、重要だ、一人で来てほしいという伝言はどのメンバーでも送りえたはず。ただしどのメンバーにもアリバイがある。

カタリーナがアレッサンドロと共にモンゴメリから預かったセキュリティコードでピットに入ると、獣が襲ってきました。車ごとビルに突っ込み、アレッサンドロはグレネードランチャーで応酬し、カタリーナはライナスの剣で攻撃しますが、爪にひっかかれ、床にもんどりうって倒れ、横に転がりますが、まわりは受付台で追いつめられてしまい獣も目が邪悪に光ります。カタリーナは剣にさらに魔力を注ぎ、獣を一閃すると、何の抵抗もなく獣の頭は首から斬り落とされていました。次から次へと襲ってくる獣をアレッサンドロと二人で倒していくと、人の顔のついた獣が落ちてきました。カタリーナはライナスの剣をアレッサンドロに投げわたし、獣に魔力を放ち、こちらにいらっしゃいと呼びます。固まった獣をアレッサンドロは一閃し、魔力の元になっている指輪も滑らかに二つに切ります。カタリーナは魔力を使いすぎ立っていられなくなり、アレッサンドロが抱き上げて車まで運んでくれました。壊れもののように座席に置いてシートベルトを締めてくれたとき、ほんのすこし身体を寄せたらキスできる距離まで顔が近づいていました。「剣」というとアレッサンドロは獣の残骸と指輪が散らばるところまでいって回収してきてくれました。

アレッサンドロが病院に向かおうとしたので、カタリーナはマラットの面会があると抵抗します。それなら家に戻ろうというと、家族に寄ってたかって救急に担ぎ込まれてしまう、敵はマラットと会わせまいとして激しく妨害してきていて、ターゲットは私の家族になっているから、調査が長引くほど家族のリスクが高くなる。面会を自分でキャンセルしたりすれば、他のメンバーは私のことを軽んじるようになって捜査に差し障る。家族に何かあったら許さないわよ、アレッサンドロ。私のために、お願い、とカタリーナは懇願します。アレッサンドロは毒づくと、トランクにあった救急キットでカタリーナを手当してくれます。

注射を打たれたあと、カタリーナが俯むくと頭の傷を消毒し、塗り薬を塗り、髪をどけて見上げるとそばにひざまずいたアレッサンドロの顔がすぐそばにあって、目の中をじっと見つめてきました。この瞬間そばで火事があったとしても、カタリーナは少しも動けなかったに違いありません。獣のひっかき傷もひとつひとつ消毒し、軟膏をぬり、ガーゼを当ててくれます。彼の顔つきは冷静でしたが、目だけは燃えていました。暗さを持つこの彼が欲しい。カタリーナが彼の髪を撫でると、彼は固まりました。でも、この関係はヴィクトリアには絶対に許してもらえないから、このまま進めるのはフェアじゃない。ありったけの意思をふりしぼり、カタリーナはありがとう、といって身を引くと、アレッサンドロの瞳には痛みの影がよぎり、隠し切れませんでした。

第9章 再度面談予定のピットのなかの事務所に向かいますが、今度は攻撃はありませんでした。カタリーナの携帯にヴィクトリアの秘書のひとりから面会の連絡があり、了承します。

マラットについて、アレッサンドロは少し話した時に今回の計画が上手くいけばそちらにも利益を回せると言われたが、おそらく最初は良い人を演じて、自分が窮地に陥ると豹変するタイプじゃないかと話します。レオンの調査結果では、彼の一族は、ロシア帝国領の強力な金属に関する魔力を持つレベデフ公と強いつながりがあるようです。レベデフ家は金属工業や軍需工業に力を入れていて、レオンによると非合法な魔法用品の販売に手を染めてるようよ。レベデフ家はアルメニアにあるセヴァン湖に所有地を持っているけれどカザリアン家の親せきでまだそこに住んでいる人がいるようです。

カザリアン家がその同盟関係から利益を得ているかどうかは不明なものの、マラットの兄は政治的な野心があるようで、政治にはお金がかかるため、そこは怪しいと考えられます。マラットは家業のなかでは、お金を作り、働く役目を負っています。マラットの妹が醜い離婚をして、手切れ金が必要になり、一族にはお金が必要なようです。もし開発がとん挫すれば、マラットは破産です。

二人が駐車場に到着すると、マラットが急ぎ足で迎えにでてきて、カタリーナをよそにアレッサンドロにゴマをすって挨拶をします。カタリーナは自分はランダーとアレッサンドロによる委託により、調査の全権を握っていて、あなたも契約書に署名しました。内容が理解できていなかったようですが、調査へ協力しない姿勢をみせたら、資金への供出は今日からストップしますと宣言すると、マラットは青ざめ急いで協力する姿勢をみせます。

フェリックスの殺害現場に案内してもらいながら、7/15当日のマラットの行動を聞くと、月水金は6時に起きてジムに行き、1時間半トレーニングして7時半に帰宅して、朝食を食べてから9時に職場につく。この日は私たち夫婦に兄夫婦と義姉の弟と一緒に夕食に出掛けた。17時半の約束だったが、店に着いたのは17:48.私は時間に遅れることが多いんだが、妻が15分以上遅刻すると機嫌が悪くなるんだが、土曜日にはunderneathっていう古い家を買った家族が一人ひとり殺されていくスリラーを一緒にみせられたよ。怖くてずっと妻を抱きしめていた。なんであれを観たいとおもうのかわからない。

ピットに怪物が棲んでいることにお気づきですか?とカタリーナが言うと、マラットは何だって? と聞き返しますがその瞬間、彼に何かが巻き付き、水中に引きずり込まれていきました。助けに飛び込もうとするカタリーナを静止して、アレッサンドロがチェーンを呼び出し、マラットに巻き付けて引きずり戻そうとして、水中に飛び込みます。

カタリーナを襲ってくる別の敵が現れました。義兄コナーにテレキネシスについて薫陶を受けたカタリーナは、目に見えるものしか攻撃を定められないという弱点を知っていました。攻撃をすり抜けて敵の視界からすり抜けると、水中に飛び込み、そこからセイレーンの能力で敵を捕まえます。身体に残っていた魔力が少なく、敵が彼女の魔力を振り切ってしまいます。そこに水中の花が光を発し、そこに現れた精神とカタリーナの意識とが不思議にリンクします。そこから逃れて水面に上がるとアレッサンドロがマラットを水中から助け上げるのがみえ、マラットは異世界から獣を召喚しました。この沼には何かいる。やってくる。逃げなくちゃ。アレッサンドロがカタリーナの手をつかんで走り出すと、マラットもついてきました。

第10章 攻撃された時の相手の様子を聞いてきたアレッサンドロに、沼の中に未知の知的生物がいて、テレパシーの魔力があり、棘で攻撃してきたのはテレキネシスの能力者でおそらくアルカンの手先かもしれないと話します。救急隊がようやく駆けつけ、マラットのふくらはぎから金属のヒルを引き離しています。カタリーナは驚いた様子のない救急隊員に何度目なの?と聞きますが、マラットが答えるな!と制止したため、アレッサンドロが自分はランダーの代理としてここにいる。君たちの給料を払うのは私だ、と脅すと、数回目です、と答えます。沼に落ちて生きて戻れた人から引き離したことがあり、数人行方不明になっているようです。カタリーナがあるものをリノから取ってくると、マラットはなんで彼女の質問に応えなきゃならないんだ、おまえ彼女とヤってるんだろうとアレッサンドロに言い、アレッサンドロはもう一度言ってみろと激怒して、彼の魔力は部屋をいっぱいに発散され、マラットにかがみこんだアレッサンドロは首筋に刀をあてていました。カタリーナは近づくと彼は無礼かもしれないけどフェリックスを殺してはいないわと言い、アレッサンドロの右腕にふれて、そっと首筋から離します。

マラットには、車からとってきた指輪を見せ、私たちが到着が遅れた理由はこれ。以前私たちが戦った召喚者はサソリを呼び出していたけれど、そいつがどうなったか知りたい? 倒したのはアレッサンドロじゃなく、私。最後は彼の骨はコートに包まれて手にのるくらいになったわ、とカタリーナが脅すと真っ青になり、もう疲れた、と言って話し始めます。

3か月くらい前から人が襲われるようになり、フェリックスは外部に助けを求めようとして殺された。異世界の生き物で、鰐のような獣だ。魚のように泳ぎ、なんでも食べる。巨大な蛇を2度ほど召喚したが上手くいかなかった。あいつらは3か月に一度は繁殖し、40個から60個卵を生んで、共食いして半分くらいしか生き残らないが、繁殖ペースが早すぎる。タチアナは沼を隔離して開発計画から外そうと提案したが、非現実的だ。シェリルは機械製の怪獣を組み立ててくれ、最初は上手く行っていたが、気配が消えてしまったので、始末されてしまったようだ。一人、女性の従業員が殺されている。ジアンに池をかいぼりしてくれるよう協力を要請したが、拒否されてしまった。その方法では自生する生き物をすべて殺してしまうから、自然界への罪だとね。

獣の中心には指輪があって、それが人外の存在に変化させているんだと思う。おそらく人をさらってきて殺して、怪物を作りあげているんだ。悪夢だ。

お前には他人事かもしれないが、私はこの開発費を半分負担していて、プロジェクトの成否は一族にとっては死活問題だ。400人の従業員を抱えている。この仕事は成功させねば。シェリルが慈善事業のランチに行っているときも、タチアナが楽しみのために何かを燃やしている時も、ジアンが会社のロゴを引っこ抜いているときも、私とフェリクスはこの泥のなかで毎日仕事をして、人が死なないよう努力してきた。いまは私しか残っていない。

16歳の環境保護活動をしている女の子が沼に引きずり込まれた時には、フェリックスが小島を隆起させて、なんとか救うことができた。でも調査員が消えた時に、開発計画を中止しようと言い出した。殺される前日に緊急会議を招集して投票した。賛成1:反対4で否決された。何が起こっているか知っていた私も中止に反対した。私があのとき他のメンバーを説得できていたら彼は生きていたかもしれない。マラットがカタリーナにみせていた敵意の理由は罪悪感でした。

フェリックスは反対されたことで、彼の話に耳を傾けてくれる人を探すと言ったので、もしこの開発がとん挫したら私たち一族は破産だ、といって言い争いになったというマラットに、カタリーナは私はあなたが殺したんではないと知っている。誰がやったと思う?と聞きます。マラットはわからないようで、知っていることはすべて話したからこれでいいかと言いますが、カタリーナはあなたは勘違いしていると言います。

池に飛び込んでみたら、池の中の生き物が私に興味をもって精神的に接触してきたの。池の中にいるんじゃなくて、ピットそのものなのよ。あなたは防御者を雇わないとと助言します。金がないというとアレッサンドロがランダーに事情を説明して能力の高いものを手配してもらうと言います。フェリックスは助けを求めたの。その相手は私、とカタリーナが言います。カタリーナは副監督官としての身分を明かし、このことを秘密にして、協力するようにと要請します。

アレッサンドロは約束だ、といってカタリーナを病院に連れて行くと言うのでコナーの私設診療所に向かいます。車のなかで、アルカンには子飼いのテレキネシスがいるとアレッサンドロが教えてくれます。

診療所で治療してもらっている間に、アラベラに次の面談に備えて替えの衣類を持ってきてくれるよう頼み、バーンには過去3年のピットの空中からの資料調査を頼み、ライナスにピットでの未知の生物を報告し、その生き物に悪意は感じられなかったと言います。開発計画は中止にしたほうがいいかと聞かれますが、その結論はまだ早いですと伝えます。

カタリーナは魔力を回復する魔法陣を描くと、携帯を近くに置き、チャージを始めます。バーンから連絡があり、アレッサンドロの父が殺された時の映像が送られてきて、アレッサンドロが復讐を核に成長してきたことを理解します。復讐と私とどちらかといわれたら、彼はどちらを取るだろう。チャンスがあったらアルカンを殺してやるわ。彼は父親を殺しただけでなく、アレッサンドロの子供時代、家族も奪ったから。

迎えに来たアレッサンドロは、君のことを傷つけさせたりしないし、君を見捨てたりしないと言います。カタリーナは数日前だったら信じられなかっただろうけれど、なぜかわからないものの、アレッサンドロが自分とアルカンの間に立ちふさがっているのは感じ取れます。
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